メンズエステに興味を持ってしまった娘
「メンズエステでアルバイトしたい」
娘の放った言葉に呆然とする母親。
メンズエステとは、ひと昔前までは男性の「脱毛」や「美容」をしてくれる場所を指していました。
ところが昨今は、性的なサービスを求められたり、裸体の男性をマッサージするようなお店というのが主流イメージです。
世間の評判を知っていた母親は、その世界に足を踏み入れようとしている娘に複雑な心境です。
母親は、娘が「なぜメンズエステをしたいと思ったのか?」について、その動機を確かめようかと考えました。
しかし、責める言葉はかえって娘さんの反感を買うと思った母親は、言葉に詰まってしまいます。
メンズエステはグレーゾーン
母親が恐る恐る聞いてみると、メンズエステで働きたいのは単に時給が良いからという理由でした。
ですが、時給が良いというだけで容認できるような職業ではありません。
娘さんがどこで知ったか定かではありませんが、母親が自身で調べた範囲では、「長時間労働」「収入は不安定(出来高制)」「客からの強引な性的要求」といった情報ばかり出てきます。
また、メンズエステが提供するサービス内容も、店舗によって明確に定まっていないことも不安材料です。
性的サービスとの境界が曖昧な現場が多く、最終的な評価は“グレーゾーン”と言わざるをえません。
さらに「もっと稼ぎたい」という気持ちから、風俗やパパ活へと流れてしまうケースも多く耳にします。
いずれにせよ、娘が危険な道に進むのではないかというリスクはぬぐい切れません。
母親は娘の心変わりを待ったが…
自力での説得は難しいと諦めかけていた母親は、「何とかしなければ娘の将来にかかわる」と危機感を覚えていました。
世間で言われている「メンズエステは風俗の入り口」という言葉が頭から離れなかったのです。
現に、JECセンターへ寄せられる相談の中にも「メンズエステとパパ活でホスト通いしていた」「メンズエステからデリヘルに転職した」という話がありました。
ともあれ、娘さんがメンズエステにこだわる理由を聴きださない事には、状況を変えることはできません。
しかし母親に尽くす手がない以上、見守る以上のことはできません。
そうこうしているうちに、メンズエステのアルバイトは始まってしまいました。
娘さんの心変わりを期待していた母親は「もう無理だなんて言っていられない」と奮起し、相談できる所を必死に探し始めました。
そしてついに、JECセンターへと相談を持ち掛けられたのでした。
娘は変われる、希望を見つけた
娘がメンズエステで働きはじめてしまったことに諦めを感じつつも、JECセンターに相談された母親。
そんな母親にスタッフは「諦めるなんてまだ早いですよ、一緒に娘さんを支えてあげましょう」と、げきを飛ばしました。
「風俗に足を踏み込んでいない今であれば、まだそこまで時間をかけずとも気持ちを切り替えることはできます」
スタッフの言葉を聞いて安心できた母親でしたが、今度は娘さんを説得してサポートにつなげてあげなくてはいけません。
JECセンターでは、説得の難しい本人(娘)に対し、まずはスタッフを交えた3者面談のような形で必死に問いかけます。
その結果、本人の同意をもらうことが叶ったら、いよいよ家族サポートが開始されます。
JECセンターは、これまで誰の助けも得られずに苦しみ、不安と闘ってこられた母親の味方です。
娘さんのために思い切って相談してくれた母親には、「今まで本当によくがんばってこられましたね」と声をおかけしています。
その努力に報いるためにも、JECセンターと一緒に娘さんに寄り添う支援を始めてみませんか?
*本コラムは、20年以上に及ぶパーソナリティ障害の回復実績を持つ
元臨床心理士(現:施設顧問)佐藤矢市が考案した”心理休養”に基づいています。