群馬県で起きた「父親殺害」のニュースは、多くの人々に衝撃を与えました。
加害少年は、明るく礼儀正しい中学生として周囲から見られていましたが、家庭内では「お父さんが嫌い」「家に帰りたくない」と心の声を漏らしていたといいます。
友人宅を転々と泊まり歩き、親との関係が悪化していたにもかかわらず、その兆候は十分に共有されず、家庭の中に積み重なっていきました。
このような事件の背景には「親子の不仲」「親子間のすれ違い」「家庭内の緊張状態」が存在します。
思春期の反抗や性格の不一致は、どの家庭にも少なからず起こり得ることです。
しかし、その関係のもつれを軽視し続ければ、やがて取り返しのつかない事態を招くこともあるのです。
特に現代は、子どもが外で元気に振る舞っていても、家庭の中では孤立感や拒絶感を強めているケースが少なくありません。
「友人と遊んでいる姿を見て安心していたが、実は家に帰れない事情を抱えていた」ということも珍しくないのです。
今回の事件を「特別な家庭の悲劇」と片づけてしまえば、同じような状況で苦しんでいる家族は声を上げにくくなります。
しかし、実際には「子どもの暴言や拒絶に悩む親」「娘や息子が家庭を避けるようになっているが、どう向き合えばいいのかわからない親」は数多く存在します。
JECセンターでは、そのような親子の不仲、家庭トラブルに直面する親御さんの相談を受けています。
親子の衝突が激しくなり、家庭の雰囲気が壊れてしまったとき、第三者の介入がなければ事態は悪化の一途をたどります。
親も子も「どうしていいかわからない」という状況で孤立してしまうのです。
実際にセンターを訪れる親御さんの中には、「警察に一度頼ったが根本解決にならなかった」「子どもが家に帰らず、行方に不安を感じている」という方も少なくありません。
外からは見えにくい家庭内の苦しみを、私たちは真摯に受け止め、心理的ケアや長期的な受け入れを通して、再び家族のつながりを取り戻すお手伝いをしています。
ニュースで伝えられる悲劇の多くは、決して突然生まれるものではありません。
小さなトラブルや「違和感」の積み重ねが放置された結果として、最悪の形で表面化するのです。
もし今、ご家庭の中で「娘(息子)が家を避ける」「暴言や衝突が増えている」「家庭が壊れてしまいそうだ」と感じているなら、それは相談のサインです。
JECセンターは心理ケアに特化し、全国でも数少ない民間の入所施設です。
どうか一人で抱え込まず、専門機関へ声を届けてください。
JECセンターは、親御さんとお子さん双方の心に寄り添い、再び安心して暮らせる未来を共に模索します。
――悲劇が起きる前に、行動を。
*本コラムは、20年以上に及ぶパーソナリティ障害の回復実績を持つ
元臨床心理士(現:施設顧問)佐藤矢市が考案した”心理休養”に基づいています。