娘のメン地下オタ活が思わぬ問題へ

メン地下(メンズ地下アイドル)を夢中で応援するオタク活動(いわゆるオタ活)をしている女性は、中高生といった若い世代が主流です。

 

ライブチケット代も比較的安く、チェキ(写真)やサインなどのサービスも1回あたり1000円前後と高額ではないため、おこづかいでも手が届きやすいためです。

 

ところが、メン地下にはほぼ必ず“ポイント特典”なるものがあります。

 

例えば、「〇〇万円分のポイントを使うと自分の推しメンバーとデートできる権利」など。

 

特典目当てで、数万円~とお金をつぎ込んでいくうちに出費は膨らみ、親が驚くほど使い込んでしまうケースが後を絶ちません。

中学生の娘が「メン地下ライブに行く」と聞き、「3千円もあれば足りるだろう」と思っていた母親が「3万円使った」という娘の言葉に言葉を失ってしまう…。

 

そんなことが続いて総額数十万円という話になってくれば、さすがに趣味の範囲で許容できなくなってしまいます。

 

そして案の定、別件で家計用のクレジットカード利用履歴を見てみると、メン地下のチェキ代やグッズ購入が並んでいたと言います。

 

「いつの間に私(親)のクレジットカードなんて持ち出したの?!」

 

と、娘を問い詰めると「おこづかいじゃ全然足りないの!あとはもうパパ活するしかないよ!」という娘の言葉に対し、反射的に手を挙げてしまった母親…。

 

泣きながら部屋へ飛び込んだきり出て来なくなった娘に、どんな声をかけていいかわからなくなってしまったそうです。

 

「このまま家庭が壊れてしまうのでは…」と恐怖を感じた母親は、誰かに相談せずにはいられなかったのです。


娘の心に起きていること

娘のメン地下のことでJECセンターへ相談された母親は、どうして娘がこうなってしまったのかをどうしても知りたいと訴えられました。

 

「おそらく、娘さんの心に無自覚な何らかの原因があるかもしれません」

 

そう聞かされた母親は、まだその時点では心当たりがありませんでした。

 

一般的に言われていることとしては、メン地下にのめり込む娘さんたちに共通する心理には、「つながりへの渇望」があると言われています。

 

例えば家庭や学校でうまく自己表現できない中高生ほど、「誰かに必要とされたい」という思いが強くなります。

 

そんな心理状態の娘さんが、メン地下のメンバー(推し)にお金を使うことで得られる反応に“自分の価値”を感じようとします。

 

「私の名前呼んでくれたよ!私のこと認知してくれたんだ!」

 

そんな小さな瞬間が例えようのない幸福感に感じられ、心の空白を一時的に埋めてくれるのです。

 

つながりに飢えていた娘さんにとって、それは本人に理解できない“かけがえのない体験”なのです。

 

母親が「そんなことにお金を使うなんて」と言えば言うほど、娘さんは“理解されない苦しみ”を膨らませ、距離を置こうとしてしまいます。

 

JECセンターでは、こうした親子間のすれ違いを解いていくため、娘さんの心を「理解し、声に耳を傾ける」ことから始めるよう助言しています。


娘との距離を埋めるには“親子の話し合い”

親子のすれ違いというものは、当事者たちだけで埋めることが困難な問題です。

 

そこで、JECセンターでは親御さんとの相談から始まり、面談で詳細を把握し、最終的に親子話し合いサポート”で娘さんと対峙するという流れを取っています。

 

まずは親御さんの不安を丁寧に受け止めて理解したうえで、娘さん本人とどのように向き合うことが最善かを模索します。

 

そして、親子が遠慮なく本音で語り合えるよう準備を整えたところで、スタッフを交えた話し合いサポートが行われます。

 

一例をご紹介するなら、同じくメン地下のハマってしまった娘さんを持つご家庭の話し合いの中で、スタッフが娘さんへこう尋ねました。

 

「もし、推しの〇〇くんに会えなくなったらどんな気持ちになるの?」

 

娘さんは少し沈黙した後、「私のことを見てくれる人はその人しかいないから、死にたくなる…」と答えました。

 

その言葉を横で聞いていた母親は苦い表情をされていましたが、

 

「この子がここまで人とのつながりを求めていたことがよくわかりました」

 

と静かに口にしたその瞬間、娘さんが母親の方をにらむでもなく、じっと見つめていました。

 

いがみ合ってきた母娘の間に、変化が起きた瞬間だったように感じます。


一緒に向き合いましょう

オタ活やメン地下通いを単なる依存や浪費行動として捉えている間は、娘さんを理解することは難しいでしょう。

 

こうした問題行動はほとんどの場合、声にならない心の叫びなのです。

 

JECセンターでは、スタッフと親御さんが一緒になって娘さんと向き合うことで、お一人では気づけないような心理についての理解をサポートできます。

 

「もう私の知っている娘ではなくなってしまった…」と嘆く前に、一度その不安や悩みをご相談ください

 

案外、娘さんは変わってなどいなくて、単にお互いの意思疎通がうまくできなくなってしまったことが原因である場合もあります。

 

親子の関係性が深刻なまでに悪化してしまっている場合も、入所サポートでの対応により道が開けることがあります。

 

これまで孤独にがんばって来られた親御さんがいましたら、ぜひとも私たちの力を借りて娘さんと向き合ってみてください。

 

きっと、今まで気づけなかったような発見が待っているはずです。



*JECセンターは、20年以上に及ぶパーソナリティ障害の臨床研究と回復の実績を持つ。

元臨床心理士(現:施設顧問)佐藤矢市が考案した“心理休養”に基づいたサポートを提供しています。

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