1.自殺未遂、入退院の繰り返し
JECにはパーソナリティ障害(大人の発達障害を含む)に関する電話相談が多く寄せられています。
見学や面談の場面でも、ご家族から「自殺未遂、入退院を繰り返している」という話を聞くことが多いです。
その背景として、病院ではある一定期間しか受け入れてもらえない現状があります。
病院では、お薬により思考抑制、行動抑制をしてやがて落ち着いてきた時点で退院という流れになりますが、
パーソナリティ障害はそもそも心の問題であるため、
お薬では根本的な解決には至らないと多くの精神科医は語っており、
入退院を繰り返すパーソナリティ障害の治療は心の根本をどうするかにかかっています。
2.JEC心理宿泊休養で社会自立に進む
JECへ入所される方の中には、自殺未遂、入退院を繰り返してきた経験を持つ方がいます。
病院側もお薬を中心に治療に努め、時には閉鎖病棟で思考抑制、行動抑制を図ります。
しかし退院後に再発し、また病院に通い出してもどうすることも出来ないため、
JECに相談が入り、見学や面談の後、娘さんの同意を得て入所に至ります。
病院とJECが協力しながら社会自立に向けてフォローします。
JECでは、お預りした娘さんと心理学マインドで対話していきます。
心理学マインドとは「クライアント第一主義」であり、
クライアントが言っている事、思っている事に対してスタッフは自分の思考を挟まず、否定せず、
「クライアントのありのまま」を受け入れます。
また、心理学マインドは「心身ともに安心と休養を感じ、自分を受け入れること」を目標としています。
入所時からスタッフや同じ仲間との会話を通じて「わかってもらえる」「聞いてもらえる」という安心感を知り、
娘さんが自分との向き合い、「不安や恐怖」があっても、
「まぁいいかぁ」と言語化できるようになるためのお手伝いをしています。
安心や休養を経て、少しずつ社会にも意識が向いて「バイトでもしてみようかな」という気持ちが湧くようにもなります。
これこそが回復プロセスとなりますが、残念ながらこれは家族の力だけでは無理です。
病院はもちろん、私どものような心の専門家とご家族とが協力し、
親が必死に「娘を救いたい」という強い覚悟や決断を持って行動することで娘さんは成長していきます。
紆余曲折あろうとも、結局のところ娘さんを救えるのは他でもないご家族次第なのです。