娘に裏切られ続ける母の苦しみ

「もう、娘に裏切られたのは何度目かわかりません…」

JECセンターへの相談の中で娘さん(20歳)の悩みを話してくれたのは、40代後半の母親。

娘さんは「友人にお金を貸した」と言ってはカードを使い込み、「もうしないから」と泣いて肩代わりを求めるということを繰り返していたそうです。

そして数週間もしない内に同じことを繰り返す娘の相手を続けてきた母親は、心身共に限界を迎えていました。

娘のスマホには男性とおぼしき相手からのメッセージが頻繁に来ており、LINEの通知音を聞くたびにストレスを感じていたと言います。

そのことについて「一体誰からのメッセージなの?」と聞いても、「ただの友達!」と返す娘。

もう娘の言うことは何一つ信用できなくなっていた母親は、自分にも娘にも嫌気が差していたのです。

そんなある晩、母親が見つけたのは家に届いた100万円を超える消費者金融からの督促状

これまで温厚に対応してきたつもりの母親も我慢の限界を越え、娘を叱責すると「何でそこまで言われなきゃいけないの?!」と逆ギレ。

怒鳴り合いの末、娘は家を飛び出していってしまいました。

母親は放心状態のまま、娘の部屋を見に行くと、ビニール袋の中にホストクラブの名刺やガールズバーの名刺が散乱していました。

すべての流れを把握した母親は、もうこれ以上娘を野放しにはできないと決意し、JECセンターへ相談されたのです。

嘘の裏にある心の叫び

母親は、娘さんの悩みを初めて第三者に相談したと言っていました。

「なぜあの子は嘘ばかりついて平気な顔をしていられるんでしょうか…」

電話越しにも泣きながら問いかける母親の姿が想像できるほど、声を震わせて訴えられていました。

スタッフがさらに丁寧に話を聴いていくと、娘さんの背景にあるものが見えてきました。

それは「自己肯定感の低さ」と「孤独への恐怖」です。

もっと具体的に言うと、「誰かに必要とされたい」とか「自分の存在を認めてほしい」といったものです。

そうした欲求が満たされず、ホストに依存して言ったり、母親の善意に甘んじてしまうケースは少なくありません。

嘘というものは、“拒絶されたくない”という心の防衛反応でもあるのです。

親が「信じたいのに信じられない」という苦しみを抱くのと同じように、娘さんも嘘をつく一方で「見捨てられたくない」と心の中で葛藤しています。

JECセンターでは、こうした親子のすれ違いを「心のSOS」として丁寧に受け止めています。

面談で母の表情にも変化

電話相談の後、娘さんのサポートを検討している母親はJECセンターへの来所面談を行うことになりました。

その面談の席で、相談員スタッフからこんなことを伝えられました。

「娘さんを信じられないことは今の時点では仕方ありません」

「まずは嘘をやめさせる方法ではなく、“なぜ嘘をつくのか”という根っこの部分を一緒に考えてみましょう」

母親は、娘さんの成育歴や家族との関わり方、学校での様子など、知っているあらゆる情報をスタッフに打ち明けました。

「お母さんは本当に娘さんのことを大切に想われてきたんですね」

「きっと出来る限りのことをしてあげようと、身を粉にしてこられたことでしょう」

スタッフの話に黙って耳を傾ける母親の目に、うっすら涙が浮かんでいるのがわかりました。

「娘さんは、心の奥底ではお母さんに心配をかけたくなかったはずですよ」

ずっと娘を疑ってばかりいた母親にとって、スタッフの言葉は意外なものでした。


「そう言われてみれば、あの子は元々優しい娘でした…」


長い間忘れていた娘さんの気持ちを思い出された母親は、少し表情が変わったように見えました。

こうしたやりとりを積み重ね、嘘で塗り固められた娘さんの心の内側が少しずつ明らかになってきました。

残るは“親子話し合い”を通して、娘さん本人から直接話を伺うのみです。


母が見つけた答え

JECセンターでは、まず相談や面談を通して、親御さんの気持ちを整理し、家庭での対応を一緒に考えます。


その次の段階として、本人(娘さん)を交えた「親子話し合いサポート」を行っています。

これまで話し合ってきた情報を元に、いざ本人との対話が始まるのですが、そこには専門のスタッフが同席します。

親子の対話が過熱しすぎたり、沈黙が続いてしまわないよう、スタッフが間に入って話し合いを支えます。

時には見守り、時には助言をし、親子の行き違いをすり合わせ、落としどころを見つけます。

今回ご相談された母親も、これまでの疑念に満ちた目で娘さんと向き合うことはなく、気持ちを新たに対話に臨むことが叶いました。

その結果、娘さんは母親の雰囲気がいつもと違うことを感じ取ったのか、いつものように嘘でその場をやり過ごすということはしませんでした。


その様子を見て、親子が再び“信じ合える関係”を築くためのスタートをようやく切ることができたのだとスタッフも実感しました。


JECセンターでは、わが子を信じられなくなってしまった親御さんにも、きっと新しい視点やきっかけを提供できると信じています。


もうムリだと諦めてしまう前に、一度ご相談ください。

*JECセンターは、20年以上に及ぶパーソナリティ障害の臨床研究と回復の実績を持つ。

元臨床心理士(現:施設顧問)佐藤矢市が考案した“心理休養”に基づいたサポートを提供しています。

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