当施設の心理休養では、心理士を中心に全4つの心理支援(セラピー)を実施しています。
これら4つのセラピーを受けていただくことで、お子さんは精神的に自立し、成長され、自信を獲得されます。
※心理休養の詳細は親向けのページからご確認できます。
一方で、ご家族(親)側については、お子さんを家に置いておけないレベルの悩み(関わり方の困難)を解消するための家族療法を中心に支援いたします。
【目次】 |
心理療法の導入判断
各療法の導入判断については、お子さんの長所やご家族の支援ニーズ、取り組みやすさなどを基準に、現実的かつ負担の少ない療法の導入を検討します。
例えば、最適な療法を判断するときの4つのポイントとして以下の基準を参考にしています。
基準その1.自分を語りたい、気持ちを聴いてもらいたい方
自分を語りたい、気持ちを聴いてもらいたいという方には、4つの心理療法のうち「精神分析」をお勧めしています。
精神分析では、現在と過去の深い体験をじっくりと語ることができます。
<このようなお子さんに最適>
- 満たされない気持ちを何とかしたい
- 言葉にならないつらさを整理したい
- 過去の体験に悩まされている
- 「もっとできる」「間違ってない」を再確認したい
- 本当の自分が何なのかわからない
- 自分の人生から何を得たらいいかわからない
精神分析では、現在抱えている悩みや苦しみなどを、いかに自分の言葉で自由に語ることができるかを大切にします。
なぜなら、素直な気持ちを深いレベルで語ることで、それまで気づかなかった自分の「ホンネ」「欲求や願望」「傷ついた心」といったものが明確になり、根本的な原因を知ること(自己理解)ができます。
<自己理解で気づけるもの>
- 抱えた悩みや苦しさと家族関係とのつながり
- 親(他人)の荷物(~ねばらない思考)を背負っている自分の姿
- 怒りや自傷行為が持つ真の心のメッセージ
- もう1人の自分(傷つきやすい、批判ばかりする私)
- 抑えられている本来の自分らしさ
<担当セラピスト>
佐藤友哉 公認心理師 臨床心理士 精神保健福祉士 日本マインドフルネス学会ほか正会員
担当者からのメッセージ:
基準その2.語るのは苦手だけど、自分を大切にするスキルを学びたい方
語るのは苦手だけど、自分を大切にするスキル(感情調節スキル)を学びたいという方には「マインドフルネスに基づくアプローチ」(マインドフルネストレーニング)をお勧めします。
マインドフルネストレーニングでは、自身の気分や身体の症状に対して「優しい心の使い方」(賢い心)を学べます。
そして、そのエッセンス(やり方)を身につけることで、いつでも・どこでもそのスキルを使えるようになります。
つまり、自分を脅かすような危険な衝動や気分の暴走に対して上手に対処できるようになり、心身を整える力を育むことができます。
<このようなお子さんに最適>
- 言葉にならない体調不良、不定愁訴※1に悩まされている
- 困難な考えや気分にどうしても圧倒されてしまう
- 寂しさ、虚無感をどうにも埋められない
- いらいら、ざわざわ、そわそわが止まらない
- 頭の中がすっきりしない
※1、不定愁訴…明確な原因がない、肩こり・目まい・腰痛など体の不調の訴え。
<マインドフルネス実践者のご感想>
- 自分を苦しめる「空回り」の存在に気づける
- ”闘い”から自分を解放する(楽になる)方法がわかる
- 憂うつでも、ずっと同じ状態で居続ける必要はないとわかる
- 自分の行動、反応、人生は自分の意思で選択できるとわかる
- 今この瞬間に「生きている実感」を持てるようになる
<担当セラピスト>
佐藤友哉 公認心理師 臨床心理士 精神保健福祉士 日本マインドフルネス学会ほか正会員
担当者からのメッセージ:
基準その3.家族にもっとわかってもらいたい・もっと認めてもらいたいという方
家族にわかってもらいたい、もっと認めてもらいたいと思う方には家族療法をお勧めします。
家族療法では、ご家族同席の場に家族療法の専門家が介入することで、今まで打ち明けにくかった自分の本当の気持ちを自由に語れます。
思い返してみると、普段の親子の対話ではどちらかが一方的に意見を押し付けて終えてしまっていたかもしれません。
親子の対話に専門家が立ち会って交流場面をサポートすると、親子だけでは難しかった「双方向の対話」が成立することも家族療法の醍醐味です。
<このようなお子さんに適しています>
- 家族は自分のことを全くわかってない
- 自分は今も昔も親に苦しめられてきた
- 親の生き方、振舞い方に納得がいかない
- 「良い子」を演じるのはいい加減疲れた
<家族療法体験者のご感想>
- 自分の気持ちや考えを始めて親に伝えられた
- 親が自分のことを勘違いしていたことがわかった
- 親の反応を気にしなくてもいいとわかった
<担当セラピスト>
佐藤友哉 公認心理師 臨床心理士 精神保健福祉士 日本マインドフルネス学会ほか正会員
担当者のメッセージ:
基準その4. 体を自由に動かしたい、集団場面の経験を積みたい方
身体を自由に動かしたい。集団場面の経験を積みたい方には「集団療法」をお勧めします。
当施設の集団療法では様々なプログラムが用意されており、普段できないような体験ができます。
- 音楽療法(コーラス、楽器演奏)
- ダンス療法(ストレッチ、ヨガ、J-POPダンス)
- スポーツ療法(テニス、バスケ、卓球、ソフトバレー、バドミントン等)
- コミュニケーション訓練
- レクリエーション活動(お菓子作り、ゲーム交流、おでかけイベント等)
- 食卓を囲んでの食事団欒
- 近い境遇の仲間との交流(雑談したり、一緒に遊んだり)
<体験者のご感想>
- 本当の意味で楽しむ感覚を体験できた(今までは義務的に参加していた)
- ずっと引きこもっていたので、人付き合いの練習ができてよかった
- 初めて夢中で運動をして、体を動かすことの楽しさを知った
- 同じ悩みを抱えているのは自分だけではないと知って驚いた
- 集団の中でも、そのままの自分でもいいんだと気づくことができた
- 入所前よりも自分の対人スキルが上がっていることを実感できた
- コミュニケーションには言葉以外にも伝える方法があるとわかった
<担当スタッフ>
佐藤靖人 当施設統括責任者(施設長)
外部講師 コーラス講師、ダンス講師 楽器講師
佐藤法子 コミュニケーション訓練、世話役係
他スタッフ数名…
担当者からのメッセージ