パーソナリティ障害ってどういうもの?

 

パーソナリティ障害とは、その人のアイデンティティに関わる生きづらさが問題(テーマ)となる精神疾患です(当センターの臨床経験より)。

それは、「自分とは何か」「本当はどうありたいか、どう生きたいか」「どう他人を信じて、どう向き合えばよいか」など、その人の基本的な方向性や価値に関する悩みや不安をテーマとし、その不安定さゆえに生活の広範囲に影響を受けている状態としてパーソナリティ障害を捉えることができます。

ちなみに、アイデンティティとは、その人の性格や人格形成の中核を担うものとされます。ですから、そこに生きづらさを抱えるということは、日々の些細なストレスが人格深部(全体)を揺さぶる体験となり、心身全域(気分や行動、身体症状、考え方など)をも巻き込む苦痛になり得ることを意味します。

一見すると、行動面の問題性ばかりがクローズアップされやすいパーソナリティ障害者ですが、その内心は、深くそして耐え難い生きづらさと向き合っているのです。