皆さん、こんにちは。

シリーズブログ「パーソナリティ障害が治るきっかけ」第5回目となります。

このシリーズではパーソナリティ障害を抱えた当事者たちがどのようにして快方へと向かっていったのかを、当施設の臨床経験から見えてくる「治るきっかけ」に焦点を当てて考察していきます。

今回は、パーソナリティ障害を抱えたお子さんの回復にはある意味欠かせないと言ってもいい要素である、「親の行動」について説明して参ります。

ある共通点

当施設へお問い合わせいただき、実際にパーソナリティ障害の回復支援へとつながることができたご家族には、ある共通点があります。

それは、親御さんがあらゆる手を尽くされて、懸命に支援機関を探し周った末に辿り着かれたという点です。

初回面談に訪れた親御さんたちは口を揃えて「やっと自分たちの探していた支援を見つけることができましたと、ほっと胸を撫でおろされます。

パーソナリティ障害という、世間でもまだまだ認知度の低い精神疾患を抱えた方を適切にケアできる組織は、公的な医療機関を含めても数は多い方ではありません。

そんな事情もあってか、自分たちのニーズ(要望)に見合った支援機関を探し当てるということは、生半可な努力では叶わないという厳しい現実があります。

それでも決して諦めず、「わが子はきっとよくなる可能性がある」という希望を持ち続け、お子さんに合った支援機関を探す努力を怠らなかったことはとても尊いことのように思われます。

パーソナリティ障害や問題行動から回復するためには本人の努力が必要であることはもちろん、まずご家族(親御さん)に架け橋を作っていただくこともまた欠かせないことなのです。

分岐点

世間のニュースを覗いてみると、子どもの問題行動による残念な結果が後を絶ちません。

こうなる前にどうして支援機関を頼っていただけなかったのか。

あるいは、支援機関の手にも終えなかったのか

そういった思いで、私たちのような専門家は心が痛むところがあります。

今の時代はすぐに手元の端末からインターネットで調べ物ができますから、なんとなく子どもの症状にも見当がついたりします。

そこで、「様子を見ていればそのうちなんとかなるだろう」とか、「自分たちだけでどうにかしよう」という考えを持たれてしまうと、大抵は問題が長期化してしまったり、悪化してしまう傾向にあります。

決して安易な方向に考えず、大事な家族の人生がかかっていると思って行動されることが、回復の可能性を広げられるか否かの分岐点であるということを知っておいてください。

「わが子はきっとよくなる」

この言葉を胸に希望を持ってお探しいただければ、きっと現状に見合った支援を提供してくれる機関へと辿り着くことができることでしょう。