皆さん、こんにちは。

シリーズブログ第一部「小さな気づきで全てが変わる~Small changes make a big difference」2回目になります。

今回は、当センターで行っている、本人の持つ「生活能力」「自立能力」を出来る限り低下させない(低下している場合は高めていく)支援について、詳しく紹介して参ります。

支援と自立の境界線

パーソナリティ障害者にとっての最終目標は、「自分の足で立つこと」であると信じています。

例えば当センターでは、食後の食器洗い、洗濯、自室の掃除などは、可能な限り自力で行ってもらいます。

パーソナリティ障害者の特徴の一つとして、自分のやるべきことや立場、居場所が失われると、一挙に悪化してしまうところがあるので、日常生活において、出来る範囲のことは自分の力で出来るように導いてあげることが、「情緒の安定」にもつながってくるのです。

また、いったん親しさを覚えるような関係になると、急速に依存してくるのもパーソナリティ障害者の特徴で、「自分のために何でもしてくれる」「代わりに問題を解決してくれる」という思い違いが生じやすいのです。

そうなると、本人の回復のための援助ではなく、不適応をかえって固定化させてしまうという望まれない結果を生んでしまうことになります。

代理人になってしまい、本人が立ち向かわなければいけないことを代わりにしてしまうことは、長い目で見ると、本人の力を弱らせてしまうことになるのです。

やり抜くかどうかは本人次第

私たちは、彼らにとっての「救世主」などではなく、本人が克服に向かって努力するのを、ただペースメーカーのようにコーチしたりするだけで、結局のところ、やり抜くことは本人にしかできないのだと伝え続けていくことが大切だと信じています。

これらの姿勢は「子育て」にも言えることであり、援助者(親)が本人の都合や要求を次々と満たしていたのでは、自立からますます遠ざかってしまいます。

パーソナリティ障害者は、ひとたび依存してくると、様々な判断を周囲に求めてくることもありますが、そこで答えを簡単に与えてしまうことも、本人の「考える力」や「選択する力」を削いでしまいます。

私たちがすべきことは、「考えること」に一緒に付き合い、最後は自分自身で決断させ、自分で責任を取らせることが基本になると思います。

そして、いざ自分の足で立てるようになってくると、自分のことで忙しくなってきます。

それくらい、自分で出来ることが増えてくるということでもあります。

当センターの卒業生たちを見ていても、少しずつ私たちから足が遠のき、顏を合わせる頻度も徐々に減っていきますが、「そこ(当センター)に行けばいつでも会って話を聞いてもらえるんだ」と思えるだけで、心の支えになるようで、実際に私たちに会わなくても、社会でやっていけるようになるのです(これを「内在化」と言います)。

やがて、彼らの思い出の一つとして、「あんな時もあったなぁ・・」と、思い返せるようになってもらえることが、本当の意味での回復と言えるのかもしれません。