皆さん、こんにちは。

当施設へのお問い合わせの中には、

「子どもが何を考えているのかわからない

「子どもが怖い理解できない

といったご家族の沈痛な声が全国から寄せられています。

子どもが親に対して何を思い、何を求めているのかは往々にして理解されにくいものです。

しかし、そこに現状を打破するための鍵があるということをこの機会にぜひ知っておいてください。

当施設ではこの「子どもの考えていること」、つまり「子どもの真意(深層心理)」に重点を置き、家族相談という支援を通して、心の専門家(臨床心理士)が子どものこころを読み解き、ご家族と情報共有しながら一緒にケアを進めています。

そこで今回は、なぜ子どもの真意(深層心理)を知る必要があり、知ろうとすることがどうして回復につながるのかということについてご説明して参ります。

深層心理とは

深層心理とは、「自分では気づいていない無意識の心理」のことを指します。

こころの悩みを抱えたお子さんのほとんどが、この無意識下の心理で要求しているモノが満たされていません。

無意識であるが故にうまく表現できないためか、しばしば周囲に誤解を生んでしまうことも少なくありません。

本人には難しいからこそ、周囲の人間がなんとかしてその要求を探り当て、満たしてあげることで解決してあげることが望ましいでしょう。

ですが、人間の深層心理というものを知るためには、「表」に出ている言葉や感情ばかりを頼りに相手の気持ちを読み、察していたのでは的外れになってしまうことが多々あります。

その言動の「裏」に隠れている真意を常に意識する必要があるのです。

当施設の過去の事例から見ても、

暴力を振るい、口では「お前のせいでこうなった!」「復讐してやる!」と言っているようなお子さんが実は、

「自分のことをもっと認めてほしい」

「もっと自分を必要としてほしい」

「何もいらないから、ただ信用してほしい」

と願っていたケースがあります

他にも、自傷行為に及んでしまうお子さんの全てが人生に絶望し、命を絶ちたいと思っているわけではなく、

「もっと大事にしてほしい」

「もっと愛情がほしい」

という願いを相手にうまく表現できずにいただけでした。

つまり、深層心理がわからないままでは、表面上の出来事への対処に追われてしまい、根本的な解決に至らないばかりか、同じことの繰り返しになってしまいます。

もう一つのヒント

子どもの深層心理について考える前に、親が自らの行いを顧みることも一つの大きな手がかりとなります。

親が子どもに対して取ってきた接し方や態度によっては、お子さんはその影響から自分の本心をうまく表現できない性質を持ってしまう傾向があります。

ありがちな失敗例として次のようなものがあります。

  • 自分の理想を押し付けていた。
  • 自分の所有物であるかのように扱っていた。
  • 子どもの話をまじめに聞いていなかった。
  • 自分にできるからと、子どもにも同じことを要求していた。
  • 「しなさい」「やりなさい」ばかり言っていた。

子どもを持った親のほとんどが「子育てのプロ」ではありません。

ですので、このような振る舞いをしてきてしまったとしても、責任を感じ、その穴埋めをしようとする必要はありません。

ただ、親と子はお互い誰の所有物でもなく、全く別の人間であるとしっかり認識していただければそれ以上の必要はありません。

他にも、親が子供に対する態度に一貫性がなかったり、過干渉が長く続いてしまったりすると、子どものこころに「解離状態」を引き起こしてしまう危険性もあります。

これらのことからわかるように、子どもは親の影響を多大に受けてしまいます。

子どものこころを形成する時期にどのような影響があったかを知っておくことも、現在のお子さんの真意(深層心理)に近づくための大きなヒントになると言えるでしょう。

心理士と一緒に

そもそも、人間の深層心理を理解するということは非常に難しい行為です

ですが、心理士のようなこころの専門家は、あらゆる知識や過去の臨床データから、その深層心理を読み取り、回復に向けた的確な支援を提供することができます。

こころの専門家は、そんな難解な人間の思考や心理を分析し、家族の安全で安心できる暮らしを提供するための一助となるべく、日夜研究に勤しんでいます。

当施設はこれらの理由により、家族相談という支援の中核に心理士を置いています。

こころの悩みというものは、長引くほどに重症化してしまう傾向があります。

家族の身に危険が及んでしまうような取り返しがつかない状態に陥ってしまう前に、なるべく早い段階で支援機関とつながっていただくことをおすすめしています。

お子さんの生きづらさや、苦しみ。ご家族の苦労、疲弊、限界。そういった双方のこころをケアするために、心理士と一緒に家族相談という支援に取り組んでいます。

コツをご紹介

今回、お子さんの深層心理を知ることで、こころの悩み解決への道が見えてくることについて説明して参りました。

最後に、ここまで読み進めていただいた皆さんに、普段私たち専門家が心がけている大切なコツを一つご紹介したいと思います。

それは、相手を理解しようとする気持ちを持つことです。

当たり前のように聞こえるかもしれませんが、この「相手を理解しようとする気持ち」を心の底から持っているかどうかで、態度や接し方が自然と変わってきます。

そうした気持ちは身振り手振りからも相手にも伝わり、安心感や信頼感といったものを与えます。

相手との間にこの安心感や信頼感を築くことができると、コミュニケーションの全てにおいて雲泥の差が出てきます。

もちろん、深層心理を知るためには専門家と協力して探っていくことが一番手っ取り早いのですが、このコツはすぐにでも実践できることなので、ぜひ今すぐにでもお試しください。

相手の話に耳を傾け、その真意(深層心理)について考えることが、回復への手がかりとなることは間違いありません。