皆さん、こんにちは。

シリーズブログ「家庭内暴力からの成功例」は、当施設のこれまでの解決実績を元に、子どもの深層心理を知ることによって見えてくる、真の原因や対処方法などについてご紹介していくものです。

家庭内暴力に苦しんでいるご家族に、少しでも希望を持っていただけるような情報を提供して参ります。

第3回目は、娘から母親に対して振るわれる暴力に焦点を当てて解説してみたいと思います。

ご機嫌をとってきた娘

ある女性は幼いころから家庭内で優秀な姉と比較され、「出来損ないの妹」という扱いを受けていました。

そんな家庭で彼女が生きていくために取った行動は、家族の顔色を伺い、全力でご機嫌取りをするという痛ましいものでした。

そんなことを続けてきた彼女が成人を迎える頃には、その深層心理に積もった劣等感や絶望感からか、アルコール依存や過食嘔吐を繰り返すようになってしまいました。

次第に家庭内で安心を感じられなくなった彼女が次に取った行動は、「自分より弱いものを支配する」というものでした。

家族の中で比較的弱い立場にいた母親に対し、日常的に暴言や暴力を振るって優位に立つことで、安心感を得ていました。

これも彼女の心理を紐解いてみると、決して母親が憎いという感情からではなく、ただただ安心できる居場所が欲しかった彼女が居たというだけなのです。

結局、限界を迎えた母親からの訴えにより、彼女は当施設へと預けられることになりました。

彼女は施設の中で本当の安心感とは何かを改めて学び、家族や自分への行動がいかに歪んでいたかを悟り、退所する頃には母親とも適度な距離感を持って、穏やかに過ごすことができるようになっていました。

当施設での対応

親と子どもの適度な距離感が大事ということは以前から訴えていましたが、全ての家族が「別居」で解決したいと望んでいるわけではありません。

物理的に距離を置くという手段はあくまで暴力から身を守るための応急対策に過ぎないので、家族がまた同じ屋根の下に迎え入れたいと願うのであれば、私たちは要望に沿うカタチでサポートをいたします。

そういった場合、当施設に入所されてからの経過をよく見極め、状態が落ち着いてきた頃合いを見計らって、家族のもとへの定期的な一時帰宅を実施しています。

この一時帰宅には、現状で親と子どもがどれほどの距離感を保つことができるのかを実際に体験していただくことで、そこからまだ何か足りないものや課題があるかを探るという意味があります。

数日から一週間といった一時帰宅期間中に、些細な失敗体験をすることもあるでしょう。

しかしそれを失敗と捉えるのではなく、「まだまだ自分には気持ちの整理が必要なんだ」という風に思ってもらうことが大切なのです。

これを繰り返していくことで、将来的にまた家族が同じ屋根の下で、穏やかに、安心して暮らすことが可能になります。

先に紹介したケースでも、母親と娘が互いに「どうにかしたい」と思い、諦めずに歩み寄ろうと努力した結果、解決へとつながったことは間違いありません。

私たち支援者は、このような家族の切実な思いの手助けとなるべく、情報の発信と心理支援を提供し続けています。