4d4c3523cdccc549d3c499abf163d4a0_s今回は、OB&OG卒業生からの言葉を紹介したいと思います。今回ご紹介する卒業生は、センター入所当時20代前半の女性です。

彼女は、当センターにたどり着くまでに、数々の閉鎖病棟への強制入院を経験し、“統合失調症”と診断されていました。

パーソナリティ障害タイプ別でみれば、境界性パーソナリティ障害と強迫性パーソナリティ障害の2タイプを併せ持っていました。

彼女は、人に対する恐怖心が強いために、周囲からの言葉を自分への攻撃と捉えてしまうところがあり、継続した安定した人間関係を築いていくことができませんでした。

本当は自分の存在を周囲に認めて欲しいと願っていますが、他人が自分の領域に入ってくることを激しく拒んでしまうのです。

そして、「寂しい・・・」と訴え、自傷行為や過食嘔吐などの衝動行動を繰り返していました。

特に、彼女は「周囲が自分の悪口を言っている」と強く訴え、時には激しく周囲を攻撃してしまうこともありました。

そんな彼女でしたが、約1年間のセンター生活を通して、彼女の衝動性は確実に軽減され、対人恐怖的な一面も以前ほど強いものではなく、何よりも心の中に「安心と信頼」という目には見えない感覚を抱けるようになっていきました。

そんな彼女が久しぶりに、私たちに会いに来てくれた時に交わした会話の一部を、本人の了解の下、ご紹介したいと思います。

卒業生からのことば

:「センター生活で感じていたことは何ですか?自分と向き合うことで何を学習されましたか?」

OG

「良い所も悪い所も、まるごと全部受け入れるようになったこと。

ダメな自分でも、“まあ、いいか!”と思えるようなったこと。

昔は、弱い自分や人より劣っている自分を絶対に認めたくなかった

周囲に見抜かれるようでいつもビクビクしていた。

それと、自分の限界を知ったことで、無理なく、自然に生きられるようになった。

自分の限界を知ることは、とてつもなく勇気が必要だったけど、他のみんなも自分の限界の中でそれなりに生きていることに気が付いた。

昔の自分は、何よりも完璧な自分になろうと必死だったと思う」

 

:「センターの仲間たちから得られたことは何かありますか?」

OG:

「色々な価値観と考え、そして生き方があることを知った。

そして、それを否定したり、支配することなく、そういうものを受け入れ、共存していくことを学んだと思う。

苦しかった時は、自分だけが辛く苦しい人生を歩んでいると思い込んでいたが、実はそうではなかったことに気が付いた。

センターの仲間たちと少しずつ語り合うことができるようになってきて、“仲間”という意識を始めて感じることができた。

同じ苦しさを経験した人たちだからこそ、共感できるところがあった。センターの仲間なしでは、私は成長できなかったと思う」

 

私:「親との関係を、今はどう思いますか?」

OG:

親も限界のある一人の人間であって、完璧ではないことを知った。

そう思えると、母親への強い憤りが少なくなった。

強制入院を繰り返していた当初は、母親との関係が近すぎたように思う。

だから、“自分の苦しさを理解して欲しい!これくらい分かれよ!”という期待も強かった。

でも今は精神的にいい距離感で付き合えていると思う。あんまり親に認めてもらおうと思わなくなりましたね(笑)」

 

以上が、会話の一部を抜粋した内容です。

読者の皆さんは、どのような感想をお持ちになりましたでしょうか。

ちなみに、彼女は現在、看護師として立派に社会復帰を果たしています。

彼女の次なる目標は彼氏を作り、継続した恋愛関係を築いていくことだそうです。