e9395db9904caa37e7ee4660f2d65b78_s皆さん、こんにちは。
前回は、私自身がご家庭や病院、警察や裁判所などに訪問した際に大切にしていることを解説してきました。

今回は、実際に訪問支援に行った際に、私自身が当事者やご家族の「どんなところを見ているのか?」という視点から解説をしていきたいと思います。

当事者(子ども)と両親の力関係

まず、私が訪問に伺った際に、最初に見立てる大事なポイントは、当事者(子ども)と両親の力関係です。

当センターでの臨床事例より、独自の統計処理をした結果、当事者と両親の力関係は、以下の4ケースに分類することが出来ます。

  1. 当事者が王子様&お姫様、両親が奴隷タイプ
    このタイプは、特に説明はいらないと思いますが、読んで字のごとくですね。当事者が王子様やお姫様のように君臨し、両親が何でもかんでも言いなりになってしまっているケースです。
    こういったタイプの場合、両親は当事者に対し、強い恐怖感を抱いていることが多く、どんなに振り回されてしまっていたとしても、何も言えないケースが多いです。
  2. 父親が権力者、母親のみが当事者の奴隷タイプ
    このタイプは、当事者からすると父親が権力者であり、家庭内では父親が一番強い力を持っているケースです。
    当事者は、父親に恐怖心を抱いていることが多く、直接的に攻撃は示しません。父親もまた、当事者と直接向き合うことを避けているため、父親と当事者との間に、ほとんど会話がないのが特徴です。
    そして、当事者のうっぷんは、母親に向けられることが多く、母親が当事者の奴隷と化しています。
    この場合、母子間の共依存関係が見られる場合が多く、母子分離を巡って、様々な葛藤や問題行動が起こってきます。
  3. 両親が強く、当事者が親の奴隷タイプ
    このタイプは、当事者(子ども)が両親に発言することも許されず、両親の言いなりになり、常に我慢を強いられているケースです。
    両親にとっての「良い子」を演じている場合が多く、問題が表面化していない段階です。
    父親と母親の意見は絶対的であり、当事者の異論や反論は全て却下されます。
    「良い子」を演じ切れなくなった段階になると、我慢の限界に達し、今度は立場が逆転してしまうケースもあります。
  4. 母親が強く家族の中心的存在、父親は母親の奴隷タイプ
    このタイプは、母親が決定権を持っていて、常に家族の中心に居座っています。父親には決定権はなく、母親の言いなりというのが特徴です。
    大なり小なり母親にはヒステリー傾向があり、感情の起伏が激しく、父親に攻撃性を向けることも少なくありません。このタイプの場合も、強い母親と弱い子どもとの間で共依存関係が作り上げられてしまい、家庭内における父親の存在感が希薄になっているのも特徴の一つです。

8fc7865283afe24e33f58a177ed6a547_s私は訪問支援に伺った際に、当事者のご家族が、この4つのどのタイプに属しているのかを、まず見極めていきます。くれぐれも言っておきますが、決してどのタイプが悪いとか正しいというものではありません

それぞれの家庭における力動関係から当事者を理解・把握するための判断材料でしかありません。

困難なケースでは、当事者とそのご家族に出会った瞬間からケアが始まっています。

特に当事者は「私」という存在を「本当に信頼するに値する人間か?」と鋭い目と直感で見定めてきます。一般的なことや正論を述べても一切通用しません。

9824f85bb55f387b28bfdb8ae18a1342_sこちらも生身の人間として、正々堂々と彼らと向き合う姿勢が、彼らを動かす原動力になります。

そのためには、短時間で、彼らの苦しさや辛さ、ニーズを読み取ると同時に、今後の対策や支援を瞬時に考えることも必然的に求められてくるのです。