c4fbd36c4454ad0f1c3b7e628d33835e_s皆さん、こんにちは。
私は、パーソナリティ障害の心理ケアを通して、様々な『親子関係』をみてきました。

両親が二人とも高学歴で、子どもに「期待」という「見えない暴力」を一方的に押し付け、窒息してしまっている子ども、子どもがいくら気持ちを訴えても、全く聞く耳すら持たない自分勝手な母親、子どもが主導権を握り、親を奴隷のように扱っている関係、窃盗やストーカー行為などの問題を繰り返し、何度も警察沙汰になっている子どもとその責任を強いられる親など、パーソナリティ障害を抱える家族には、実に多種多様な親子関係があります。

そんな彼らと長年接してきて感じることは、親子関係は、『水と油』の関係に似ているということです。

水と油は決して交じり合うことがないように、親と子の関係も決して融合することがないという意味です。

融合しようと努力し続ける家族

234173259e809b74c8d94e5be0b55581_s私の元を訪れる親子の多くは、決して混じり合うことのない「水と油」を一生懸命融合しようと努力し続けていきます。

ある親御さんは、自分の息子や娘を自分の延長線上の存在とみなしたり、ある娘さんは、必死に自分の苦しさや辛さを、母親に理解してもらうことを期待しては裏切られ、家庭内暴力を繰り返したり、決して交じり合うことのない親子が必死に融合を図ろうとしているのです。

こういった泥沼状態から、パーソナリティ障害者が回復していく過程には、必ず「親と自分は違う存在だ」という分離固体化の認識が必要です。

私がどれだけ苦しんで、辛い思いをしてきたか」を親に分かってもらうことを期待している内は、ラクにはなりません。

親の変化を望んでいる内は、いつまでたっても、自分の人生を歩みだすことは出来ません

親は変わらない

ある卒業生の言葉を借りて表現するとすれば、

私の親は、私の気持ちが分からない、分かろうとしないレベルの人でした。そういう意味では、本当にかわいそうな人たちだと思う。今までは、まったく理解しようとしない親を必死で何とかしようと努力してきたけど、その努力自体が無駄だということに気が付いた。その努力自体がただ疲れるだけだ。もうこれ以上関わりたくない。親に振り回されたくない。だって親はこの先絶対に変わらないんだから・・・

c92414f1fa64e0cc3482cf8baa646d2e_sこれらの言葉は、子ども側が親と自分の存在を、まったく「異なる存在だ」ということを認め、受け入れています。

ここまで来ることができれば、「自分の人生を歩む」という次なるステップへの第一歩を踏み出すことができるのです。

なぜならば、「親を変える」「自分の苦しみや辛さを親に分かってもらう」という膨大なエネルギーを、自分のために費やすことができるようになるからです。