9b5886785bb7481d1a234da71c3edf87_s表面的には、様々な問題行動を繰り返す当事者(パーソナリティ障害者)であっても、心の中では、親に対する罪悪感や「申し訳なさ」を抱いています。

親に対して暴言を吐いたり、暴力を振るったりと親に対する「申し訳なさ」など少しも感じていないかのようにみえる行動であっても、実は心の中では、ほんのりと「申し訳ない」気持ちを持っています。

これには年齢は一切関係なく、40代・50代になっても心のどこかで親に対する「申し訳なさ」を抱いていることがあり、その度合いが強いほど、対人関係やパーソナリティに歪みが生じてくるのです。

憎しみや恨みの背景にある承認欲求

e90dcaea31a56f39cad38ce25a7f75b0_s私は、この10年以上もの間、全国から集まってくる様々な症状を抱えた方たちと出会い、語り合い、共に生活を送っていますが、その多くが、親に対する生々しい憎しみや恨み、恐怖心を抱いています。

しかし、そういった生々しい感情を抱いているもう一方では、「もっと認めて欲しい。わたしのことを分かってほしい」という承認欲求も存在しています。それだけ心の中での葛藤が強いわけです。

このように親がかわいそう、親が憎いなど、親に対して生々しい感情がわいてくるのは、実は親別れしていない証拠なのです。

親を恐怖の的にしたり、軽蔑の対象にするのも、親の影響が強いからこそです。

親もこの程度だな」という見切りが出来れば健全なのです。

この健全な感覚を身に着けておくと、親が自分の人生を左右する絶対的な存在のように思ったとしても、それは異常だということに気がつくことができます。「自分ががんばらないとこの家は大変だ」などと、家族の人生を自分が左右しているように思うこともありません。

1c3175edea1dd185e66aee549859feb9_s家族はそんなに分かちがたく密着したものではなく、適度にくっつきながらも、個人個人の人生を自分なりに生きているのが自然な姿です。

親に対して、何かほんのりと「申し訳ない」感じがする、という人も親別れしていないと思っていいでしょう。

最近ではとても多くなってきていますが、娘や息子が「親と一緒に住んであげていない」ことを申し訳ないと感じている人もいます。

うちの親ならこういう人と結婚したら喜ぶだろう」「うちの親ならこんなものを買ったら嫌がるだろうな」と、親ならどう思うかいちいち考えてしまうのも、親に支配されていると言えるでしょう。

親の存在は絶対的ではなく、限界のある一人の人間である」ということに気づいていけるかが、親別れへの近道であり、「申し訳なさ」から脱却し、自分の人生を歩んでいく一歩になります。