d674da5580c03335f575fca5236cd8b2_s私は、パーソナリティ障害者にとっての最終目標は、自分の足で立たせることだと信じています。

当センターでは、本人が持つ生活能力や自立能力を出来る限り低下させないようにすること、低下している場合はそれを高めていくように支援をしていきます。

例えば、自室の部屋の掃除や洗濯、食事後の食器洗いなども、可能な限り自分の力でやっていただきます。

パーソナリティ障害者の一つの特徴として、自分のやるべきことや立場、居場所が失われると、一挙に悪化してしまうところがあります。

ですから、日常生活で出来ることは自分の力で出来るよう導いてあげることは情緒的安定にもつながってくるのです。

また、いったん親しさを覚えるような関係になると急速に依存してくるのもパーソナリティ障害者の特徴でもあります。

自分のために何でもしてくれる。代わりに問題を解決してくれる」という思い違いが生じやすいのです。

そうなると本人の回復のための援助ではなく、不適応をかえって固定化させてしまう、援助のための援助になってしまいます。

代理人になり、本人が立ち向かわなければいけないことを代わりにしてしまうことは、長い目で見ると本人の力を弱らせることになります。

やり抜くかどうかは本人次第

1c9ea34d21efdb20cb59557b8aca14ce_s私たちは、彼らにとっての救世主ではなく、本人が克服に向かって努力するのを、ただコーチしたりペースメーカーになるだけで、やり抜くのは本人しかできないのだと、伝え続けていくことが大切だと信じています。

これらの姿勢は、子育てにも言えることですね。

子育ても同じですが、援助者(親)が本人の都合や要求を次々と満たしていたのでは、自立からますます遠ざかってしまいます。

パーソナリティ障害者は、ひとたび依存してくると、様々な判断を周囲に求めてくることもありますが、そこで答えを簡単に伝えてしまうことも本人の選択する力を削いでしまいます。

考えることに付き合うものの、最後は自分で決めて、自分で責任を取らせることが基本なのです。

自分の足で立てるようになると、自分のことで忙しくなってきます。それくらい、自分で出来ることが増えてくるということでもあります。

11a7ef3500539cd275d5e10e7c039042_s当センターOBやOGを見ていても、少しずつ私達から足が遠のいていき、顔を合わす頻度も減ってきます。

そこ(当センター)に行けば会って話を聞いてもらえると思えるだけで、心の支えになるようで、実際に私たちに会わなくても社会でやっていけるようになるのです(これを内在化といいます)。

やがて、彼らの思い出の一つとして、「あんな時もあったな~」としみじみ思い返せるようになってもらうことが、本当の意味での回復なのかもしれません。