4d4c3523cdccc549d3c499abf163d4a0_s前回の記事では、共依存についての簡単な概要を説明しましたが、今回は、共依存者特有の傾向でもある「自他の区別の曖昧さ」について紹介していきたいと思います。

共依存者は他人の感情と自分の感情をはっきり区別することができないという問題を抱えています。

相手が沈黙したり、不機嫌そうな表情をすると、自分が何か相手にとって不本意なことをしたのではないか、そもそも自分に欠陥があるのではないかと不安になります。。

他人が感じる感情を自分の感情と切り離せないために、たとえば、自分の愛する人が少しでも自分以外の人に魅かれるとき、彼らはそれを受け入れることができません。

愛する人が自分以外の人に少しでも興味を示したりすると、もう自分を大事にしてくれないかのように感じてしまうのです。他人には他人の独立した気持ちがあると思えず、常に一緒であることを切望しています。

このことが共依存者の他人への支配欲を強めます(ゆえに、共依存者は束縛や嫉妬心がとても強いのです)。

他人の世話焼きを大切にする生き方は、実はこうした自他の区別の曖昧さから生じています。

家庭内暴力を繰り返す息子

よく見るケースとしては、例えば、自宅で引きこもりと家庭内暴力を繰り返している息子(すでに成人になっている)に対して、「こんなに苦しんでいる息子を見ているとなんだか自分も苦しくなる。彼は社会にもはじき出されて、本当にかわいそうな子だ」と母親が訴えます。

かわいそうかどうかは、もう成人になっている息子自身が決めることですが、勝手に決めつけてしまっています。

c94f119b6a7aa04c04ca6e77978d6c97_s自分の気持ちと息子の気持ちが一色単になっているのです。こうなってくると、母親の勝手な思い込みが働き、「この子は、私がいなくなったら生きていけないかもしれない。私が一生守らなければ!」と考え始めていきます。

実際のところ、息子さんが自立へ動き始めるのは、母親と物理的に離れたときや、母親がいなくなって、「自分でなんとかしなくてはいけない」と初めて思った時です。

こういう息子の場合は、母親から決めつけられた一方的な「かわいそうな子」というイメージを演じていることが多く、なかなか抜け出せません。

結果的に、母親から離れられないように仕向けられ、息子を支配し、ペット化していってしまいます。そんな支配から逃れようと、母親に対し激しい暴力を振るうことで必死に抵抗していくのです。

親密な人間関係とは?

98f7e37b1566908475830c69d6b600e7_sこの共依存関係とは真逆に位置する、親密な人間関係とは、不安と支配欲に束縛されない関係のことを言います。

それは、流動的な関係で、共依存のようにいったん形成された関係が変化なくそのまま続いているものではありません。

共依存の根底には自尊心の低さがありますが、親密性の根底には自己肯定の感覚です。

こうした人は親密な関係を求めても、相手に退屈すれば離れるし離れた相手を恨むこともしません。

自他の区別もしっかりついているので、「自分は自分」という自己肯定があり、この自己肯定が「生き生きした感情生活」を与えてくれるのです。