5a16717f178c9d055bee850582c8838e_s非合理で病的な万引き行為の繰り返しはクレプトマニアと呼ばれています。

万引きを繰り返し、何度も警察のお世話になった方やその親御さんから度々問い合わせを受けることがあります。

娘が万引き行為を行い、警察に保護され、警察署から「娘の引き取り先を探している」ということで、当センターに連絡があったこともありました。

自宅に置いておくと、すぐに近くのコンビニへ行って万引きをしてしまうので、家に置いておけないということでした。

このクレプトマニアの中には、少なからず、パーソナリティ障害(人格の偏りや幼さ)の要素を持っている方々がいます。

彼らは、自分にとって必要のないもの、自分にとって関心のないもの、関心はあってもごく限られた一部商品だけを盗んでいきます。

拒食症者が下剤だけを盗むことも珍しくありません。

彼らの多くは、その商品を買うことのできるお金を持っていて、犯罪に走る必要がないのに盗みます。そして、盗んだものをどうするかというと、無造作に放り出したままにしたり、部屋の一角にきれいに並べてコレクションのように飾ったりとても不可解な行動をとります。

男女比で見ても、明らかに男性よりも女性が多く、摂食障害を患っている方も多いです。

摂食障害とクレプトマニアを併せ持つ女性の場合、自傷行為(リストカットやアームカットなど)も持っていることが多く、こうなってくると医療機関では、境界性パーソナリティ障害という診断名がつけられる場合がほとんどです。

私の経験からも、摂食障害とクレプトマニアには深い関係があることがわかっています。

b8527d888e0014b6ea9d5a0f6735fb33_s摂食障害の中でも特にやけ食いなどを繰り返す過食症の場合、程度の差はありますが、重度になってくると、目の色を変えて他人の食べ残しまで漁り歩き、短時間のうちに信じられないほどの量の食べ物を胃に流し込んでいきます。

そして、必ずその後吐くのです。この嘔吐習慣を覚えてしまった人では、体型はスリムのままでいるので、一見、異常は発見されにくいですが、彼女たちの頭の中は食べ物のことでいつも一杯で、食べて吐くという行為の中でしかリラックスできなくなっています。

毎回吐いてしまうといっても、その前に大量の食べ物を胃に入れないといけません。その分、とてもお金がかかるわけです

わざわざ吐くためだけに、大量の食料品にお金を費やす必要はないじゃないかと思われる方もいるかもしれませんが、彼らの頭の中は、食べ物のことしかありません

手元にお金が無くなってくると、どんな手段を使ってでも食べ物を手にしようとするので、最終的に盗みをはたらいてしまいます。

摂食障害者・クレプトマニアにとっては、コンビニの商品名を片っ端から言うことは朝飯前のようです。しっかりと新商品もチェック済みです。

彼らの内面は、非常に幼く対人関係も不安定です。

以前の投稿にも書いたようなパーソナリティ障害の特徴を多分に含んでいますが、パーソナリティ障害との関連として診断する医師は多くはありません。

b43dece2d3d0e80a03ac3944c02e87ba_s現代社会では、このクレプトマニアと呼ばれる方たちが急増加している一方で、警察に保護された後に、彼らを引き受ける施設や病院が非常に少ないという問題があります。犯罪を繰り返す方も多く、今では刑務所もいっぱいというのが現実です。

彼らを更生させる施設や受け入れ先がもっと増えていくことを願っていますが、彼らの深層心理や心理構造をしっかりと理解していくことが支援には必要不可欠となります。