9157f4aa75d683a3f7db3b18c73b4dda_s臨床場面で30年前から感じていたことの一つに、じっくりと自分で悩みを持つことができない人が増えてきたということがあります。

悩むことができない彼らは、何か思いつくと、すぐ家族に話したり、知人に電話やメールを送ったりしてしまいます。

何か思いつくと、「パッ」と動き回って、「そう状態」のように激しく行動して、落ち着いていられない感情に襲われるのです。

悩むことができるということは、自分の自我というものを自分で統合する力を持っているということです。

簡単に説明すると、悩むことができる「心の器」を持っているということでもあります。

パーソナリティ障害の多くの方たちに共通しているのは、この「心の器」が育っていないために、じっくりと悩み抜くことができず、すぐに衝動的に行動してしまうということです。

b930922c08535e97cba899ac9c7fe6be_sだから、感情が突然高ぶってしまうと、母親を殴ってみたり、暴言を吐いてしまうのです。

数々の依存行動なども、それに没頭している最中は、『無』の状態になれるので、恐怖や不安感を一時的に忘れることができるのです。

この時だけは不安や恐怖に呑み込まれている自分を忘れることができるのです。

不安や恐怖はあってもいい

52df3275c7e438d5e2f5ef349359e46b_sこの様な方たちの基本的な特徴は、自尊感情が育っていないために、適切な自己評価ができない点、自信がなく、不安や恐怖心に呑み込まれてしまうと思い込んでいる点です。

自尊感情と衝動的行動には大きな関係があり、彼らの多くは、自分の自尊心がなくなってくると感じると、何かしていないといられなくなり、突然パニック発作や解離発作などを起こす方も珍しくありません。

不安や恐怖心を含めた自分の悩みをすぐに解消しない、解消しなくてもその悩みを抱えたままでも日常生活が送れるという心の器を育てていくことがパーソナリティ障害の回復には必要なのです。

答えが出なくてもいいから、今まで逃げ回っていた不安や恐怖と思い切って向き合ってみることも「心の器」を育てていく方法の一つです。

不安や恐怖はあってもいい」ということに気がついてくると思います。