52df3275c7e438d5e2f5ef349359e46b_s今回も、パーソナリティ障害の基本症状の一つについて解説していきます。

自分や相手を信じることや人に対して安心感を抱けるということは、一つの能力です。

心の発達段階には、幼少期に「基本的信頼の獲得」という大事な時期があります。

これは、お母さん(保護者)との関係の中で少しずつ積み上げられていくものと言われています。

この時期に十分な安心感を味わっておかないと、人との「きずな」というものが築きにくくなってしまいます。

パーソナリティ障害の方は、この安心感がもてないために、些細なことでも傷つきやすく、他者を不快なものや自分の邪魔をするものとして捉えがちです。

うわべでは親しく振る舞い、信じていると自分から口にする場合も、心の底では、相手を疑っていたり、本当は信じることができないのです。

対人関係でも、相手が「いつか離れていくのではないか」といつも不安を抱いているので、相手が自分のことを見放さないか相手を試そうとしたり、裏切られる事がイヤで、自分から先に裏切ってしまうこともしばしばあります。

結果的に、ながく安定した関係がつくれないので、いつも心はさみしさでいっぱいです。

信じられる相手を探し求めて次々と親密になろうとしますが、いったん距離が近くなり親密な関係になると途端に不安がおそってきて、自ら関係を絶ってしまうこともあります。恋愛遍歴を重ねる人の多くは、こういった心理があります。

また、すぐに不安が襲ってくるため、「愛している」「お前のことが一番だ!」「ずっとそばにいる」という言葉を聞かずにはいられません。

少しでもそういった反応が返ってこなかったり、面倒臭そうな仕草を見せると、「もう自分は愛されていない。見捨てられた。だったら死んでやる!」と思ってしまうのです。

このように基本的安心感や信頼感はパーソナリティのもっとも根幹をなすもので、その後の対人関係に大きな影響を与えます。

私は、パーソナリティ障害を抱える方々がまずは、安心した環境で、ゆっくりと「信じる」体験をしていただくことが回復への第一歩になると信じています。