皆さん、こんにちは。

シリーズブログの第一部「小さな気づきで全てが変わる~Small changes make
a big difference」23回目になります。

今回は多くの人が悩みを抱えているであろう「対人関係」において、よく聞かれる一つの質問に対しての回答という形で解説して参ります。

Q. 11の場面では問題ないが、複数人の中では居ずらくなってしまうのはどうして?

A. パーソナリティ障害の方から受ける質問の中でも比較的多いのがこの質問です。

まず、11の場合は問題ないと思われているようですが、実は11の場面でも精神的には疲れてしまっています。

多くの場合、自分を安定して保っておく力や、自分に対して肯定的にイメージする力(自尊感情)が育っていないので、根本的に他人と接することは恐怖です。

心の中では、いつも孤独感や不安、恐怖、劣等感、自信のなさなどが自分を支配しているため、他人に否定されたり、拒絶されたりすることにとても敏感になっています。

かなり神経をとがらせながら他人と接しているのでとても疲れますが、これが“普通”なので本人は「疲れた」という感覚はあまり感じていないのです。

もしこれらを自覚できて、「疲れた」と言えるようになれたなら大きな前進と言ってよいでしょう。

常に相手が自分の方を向いていてくれれば、相手の反応がすぐにわかるため、何とか会話を続けられますが、このことから、11は問題ないと誤解してしまっているようです。

もしこれが2人以上相手にした場合、自分がどういう風に関わったらいいのか全くわからなくなってしまって、ただ合わせるか、黙ってしまうだけになってしまいます。

相手から話題をふられた時、「何て返答したら相手や周りの人は満足してくれるのか?」ということを考えすぎてしまうので、頭が真っ白になってしまい、何を話したかも覚えていないような状態になります。

それは、自分の評価が相手によって決まるものだと思い込んでいるためです。

話している相手が嫌な表情をするのではないかと錯覚したり、心の中では自責感や罪悪感でいっぱいになっています。

このように自分という存在が相手の反応や評価次第で変動してしまうために、その相手の人数が増えることで余計に神経を使ってしまいます。

その結果、複数人の中では、特に居ずらさを強く感じてしまうのです。

これも逆に捉えれば、相手はどうあれ、自分という存在を自分自身で適切に評価できるようになると、複数人の中にいても居心地の悪さはさほど感じなくて済むようになるということになります

これこそが「自尊感情」の芽生えに他なりません。