fcabade1dc046b70a7f38bb388f33c58_s今回のテーマは、パーソナリティ障害を抱える皆さんが比較的よく訴える内容をご紹介します。

一旦踏み込んでしまったアクセルにブレーキがまったく利かなくなってしまった状態に似ていて、気がついた時には、疲れ切っているというのがお決まりのパターンです。

こういったタイプの方の深層心理には、「いつも頑張っていて、100%の自分じゃないと周りが離れていってしまう・・・」という強い思い込みが見られます。

何でもやりすぎてしまうというよりは、やらないといられないという感覚に近いでしょう。

また、常に100%の自分を演じているので、相手が100%で自分に接してくれないと、極度に見捨てられたように感じ、不安に襲われます。

「こっちは100%で接しているんだから、あなたも同じくらいで接してよ!」という期待に変わっていきます。

しかし、多くの人は、常に100%でいると疲れてしまうことを知っているので、70%くらいで周囲と接します。深入りしすぎず、ある程度の距離を保ちながら接しています。

1d2f0497004548234a70f4f697075483_sところが、パーソナリティ障害を抱える人にとって、この70%で接せられると、自分とのスタンスに大きなギャップがあるため、納得ができません

中には、「私は70%の人間なのか!」と不満を抱き、怒りをぶつけてくるケースもあります。自分にも他人にもほどほど加減がわからないのです。

例えば、仕事や家事などにおいても、絶対に気を緩める事ができず、他人に頼る事が出来ません。全て自分で背負い込んでしまい、「私はこれだけやっているのになぜ評価してくれない!」と不満に変わってしまいます。

周りからすると、「そんなに独りで背負い込まずに、誰かに頼めばいいのに」と思っても、本人には聞き入る耳すらありません。

こういうタイプの人が、誰かに頼れるようになることは回復の大きな目安でもあります。

境界性パーソナリティ障害 30代女性からの手紙:

ここで、ある30代女性のケースを紹介します。

c52ce9660dea9ed850008cfad686840e_s彼女は、医療機関にて境界性パーソナリティ障害と診断され、数年前にセンターに入所されました。リストカットやODなどの自殺未遂を繰り返しており、生死をさまようことは度々ありました。

また、彼女の内面には、数名の人格が居座り、時々人格が変貌する事もありました(解離性同一性障害)。凶暴な人格が登場すると自傷行為が始まっていました。

そんな彼女がセンター修了後、数年後に私宛に書いてくれた手紙を紹介します。本人同意の元、個人が確定できないよう修正を加えてあります。

先生ならびにスタッフの皆様、ご無沙汰しております。

現在私は、彼氏と毎日とても充実した日々を過ごしています。

私を長年診てくれている主治医の先生にも、「最近はだいぶ落ち着いてきましたね。大変良い調子ですね」と言われる事が増えました。今は、安定剤も処方されなくなり、睡眠導入剤のみとなりました。

彼との生活で一つ分かり始めた事があります。ようやく先生のおっしゃっていた「何でもやりすぎ。100%を求めすぎ」という言葉の意味を理解することができるようになってきました。

以前までは、仕事も家事も全て100%「自分で」やらなければならないと思っていたのですが、体がしんどい時やつらい時、今は素直に「お願いします」が言えるようになり、気持ちにゆとりが生まれていることに気がついてきました。

何事も積み重ね学習し、修正できるものなのだと実感してきています。

彼女は約2年2ヶ月の入所生活を経て、社会に羽ばたいていかれました。

未だに100%を求めすぎる癖は時々出てくるとのことですが、その時は、意識的に頼る事を取り入れているとのことです。

現在、彼女は手紙をくれた当時の彼と結婚し、○○県で生活を送っています。