895a3b71917b23923970d5849c76feae_s皆さん、こんにちは。
今回は、私が考える、『パーソナリティ障害の回復(卒業)の目安』について解説していきます。

当センター入所期間には、個人差があって、皆同一に出来ないところが大変おもしろく、私の楽しみでもあります。平均の目安は、約1年~2年間の様です。

当然、その期間の中で、様々なドラマが繰り広げられていくわけですが、社会自立へ向けて「もう大丈夫」と思えるようになるには、はやり長期間のケア(最低1年以上)が必要になります。

なぜならば、当センターへ入所されるまでの間に、身に付けてきた考え方のクセ対人関係パターンパーソナリティの歪みが修正されていくまでには、年単位の時間が必要になるからです。

しかし、それでも入所されるまで20年~40年間生きてきた人たちが、10分の1の期間で回復していけるようなプログラムを用意しています。

当事者の決意や努力で回復していくのは当たり前ですが、それに加えて大切なことは、支えているご家族の覚悟が問われているということでもあります。

9b5886785bb7481d1a234da71c3edf87_s一旦、当センターへ我が子を預けて、任せたのであれば、それを信じるという覚悟です。

当センターに入所されるパーソナリティ障害者の多くは、入所初期には、必ずと言っていいほど、親に様々な不満や怒りをぶつけてきます。

こんなところには居たくない。早く帰りたいから迎えに来てほしい」などを繰り返し繰り返し訴えてきます。

ここで大切なことは、子どもは親の意志や覚悟を試しているということです。あの手この手を使って、親が妥協して自分の意見を聞いてくれることを願っていますが、ここで「あなたの回復には、そこが必要だから、苦しいかもしれないけどがんばって」と、ハッキリ言い返せる覚悟を持っているかがカギになってくるのです。

ここで親御さんの意志が揺るいでしまって、少しでも子どもの意見を飲んでしまうと、残念ながら回復の期間はどんどん伸びていってしまいます。

「一人ではない。今のままで良い」と思える心

さて、本題の『回復(卒業)の目安』ですが、当センターを卒業されたOB&OGの人たちを振り返ってみても、ほぼ全員が口をそろえて、私に言い出すフレーズがあります。

9a77a8dc2627868083112abda7163a1c_sそれは、「私は一人ではなかった。今の自分でいいのかもしれない」という言葉です。

問題の真っ只中にいて、生きることへの苦しさや辛さを抱いている方々は、「変わらなければ。もっとしっかりしなければ!」という発想を持っています。

これは、現状を否定していることでもあるので、出口の見えないトンネルの中から抜け出せなくなってしまいます。

ところが、卒業生の多くは、「今の自分でよい」と良い意味で開き直れるようになるのです。そして、その発想を獲得できるようになるには、仲間であったり、信頼して相談できる専門家に守られていて、「自分は一人ではない」という安心感を体験できるかがポイントになるのです。

1c3175edea1dd185e66aee549859feb9_s私たちは、当センターへ入所される研修生の皆さんが、少しでもこういった体験が出来るように、様々な工夫をしていますが、実際、その人にいつ変化のキッカケが訪れるのか、分からないのが事実であり、そこがおもしろい所でもあります。

私たちは、決して諦めない姿勢を貫き通します。

パーソナリティ障害のケアには、特に私達支援者の「信じる力」が問われます。簡単なようでいて、とても難しいですが、この成果がいつか生まれてくることを信じて、日々支援しております。