皆さん、こんにちは。
今回は、ある卒業生からの言葉をご紹介したいと思います。

今回登場していただく卒業生は、センター入所当時20代の女性Oさんという方です。

Oさんは、センターに入所する以前は、数々の医療機関への入退院を繰り返してきました。当時の診断名は「統合失調症」でした。

Oさんは、なぜ入退院を繰り返していたかというと、両親、特に母親に対する暴力や暴言が激しく、自宅では誰もOさんに手が付けられない状態になっていたからです。

それだけでは収まらず、感情が高ぶり、自分でも抑えきれなくなると、2階から飛び降りようとしたり、大量の薬を飲んでは、自殺未遂を繰り返していたのです。

そんなOさんのご家族が藁をもすがる思いで、センターにたどり着きました。

Oさんは、センター入所当時、気持ちの浮き沈みが激しく、不安定な時などは、スタッフや他の研修生を振り回してしまう事が度々ありました(自宅で母親を振り回していた状態と同じことをしていました)。

しかし、3か月も経過した頃から、徐々に症状も落ち着き始め、本来のOさんらしさが戻ってくるようになってきました

入所当時から、幸いにもOさんには、誰かに「頼る力」が備わっていましたので、苦しい時や辛い時は、スタッフのいる事務所に駆け込んできては、「話を聞いて下さい!」と積極的に相談に来ることができていました。

そんなことを日々繰り返していくと、少しずつ言葉にならないモヤモヤやイライラが言葉で表現できるようになってきたのです。

それと比例するように自殺未遂や自傷行為も減り、感情を自分でコントロールすることができるようになっていったのです。

そんなOさんですが、数年前にセンターを卒業され、現在は、准看護師として医療現場で活躍されています。

そんなOさんへ以下のような質問に答えていただきました。

センター生活の中で、「自分と向き合い」何を学習されましたか?

良いところも悪いところも、丸ごと全部受け入れたことです。

以前は、「良いところでいつもいなければいけない!」と思い込んでいました。

でもそれって、すごく疲れるんです。

疲れると、自分の中の悪いところが前面に出てくるので、必死に抑えようとしても、コントロール不能になっていました。

今は、ダメな自分とか弱い自分でもいいのかなぁと思えますね。

その分、自分の限界を知ることができたので、無理なく、自然に生きられるようになったと思います。

昔は、自分の限界なんて知りたくもなかったですね(笑)。そんなちっぽけな人間だということを目の当たりにしたくなかったので。

センターの仲間たちから得られたことは何ですか?

色々な価値観、考え方があることを知りました。

ここに集まってくる人たちは、色々なバックグラウンドを持っていて、でも皆、同じような生きづらさや、苦しさ、辛さを抱えています。

皆、考えていることや感じていることも違うし、でもそれを否定したり、支配しようとするんではなく、そういう「違い」を受け入れ、共存していくことを学習しました。

最初は、人との違いを受け入れるという感覚が全く理解できませんでした。

でも、根気強く周りのスタッフさんが私に言い続けてくれたからこそ、身につけられた感覚だと思います。この感覚を身に着けていなかったら、今の職場ではやっていけませんね。すぐに飲まれてしまっていたと思います。

楽しい時も苦しい時も一緒に時間を共有したセンターの仲間がいなければ、今の成長はできなかったと思います。

「横のつながり」ができたことも、このセンターに来て良かったことです。

親との関係を、今はどう思いますか?

親も1人の人間であり、完璧でないこと知り、母親への強い憤りがなくなりました

昔は、母親の存在や影響力が強く、私にとっては、とてつもなく大きな存在でした。

母親の顔色や表情、気分によって私の気分も左右されてしまい、それくらい母親との関係が近かったし、今思えば、自分という核がなかったんだと思います。

今は、なんというか、母親の存在がすごくちっちゃくなった感じですね(笑)。どうでもよくなった感じが近いかな(笑)。

でも、その方が全然ラクですよ。自分でいろんなことを決められるし、自分の人生を自己責任で歩んでいるって感じもあります。

仕事をできるようになるとは思ってもみなかった

Oさんのお母さんは、入退院を繰り返していた頃、まさか娘が現在のように社会の一員になり、仕事ができるようになるとは思ってもみなかったそうです。

一生、娘を背負い続け、面倒を見続けようと思っていたそうですが、一方で親亡き後のことを考えると、娘の将来が心配で不安で仕方がなかったと話しています。

Oさんのご家族のように、真っ暗闇の中で、右も左もわからず、途方に暮れているご家族がいらっしゃいましたら、是非、勇気を出して当センターへお問い合わせください。

どんなに泥沼な状況であっても、可能性はあります。決して、諦めないでください。

今回、体験談をシェアして下さったOさん、そしてご家族の皆様に心から感謝いたします。
本当にありがとうございました。
またいつでもセンターに遊びに来てくださいね。