97737e005c2335bd45df1c73124869c8_s人格障害という言葉は、私が心理臨床を始めたころに比べると、圧倒的にその認知度は上がっています。

いまだに「人格障害」という言葉に対して、マイナスイメージはあるようですが、以前に比べてもそのイメージ像はかなり変わってきています。

当センターへの問い合わせの際にも、「自分は人格障害なのではないか?夫や妻が自己愛性人格障害にあてはまっているように思う。娘はおそらく境界性人格障害だろう」というように自分たちで色々と調べてくる方たちが増えてきています。

先日も、娘の件で、母親から問い合わせがあり、自分でインターネットや専門書を調べて、娘の人格障害の可能性を疑ったと言っていました。

実際、インターネットや本屋には、人格障害(パーソナリティ障害)に関する情報がありふれています。

人格障害の傾向を知っておくことは問題の長期化を防ぐ

dff6109aadae8eefbbd1190a56463a33_sもちろん、自己診断できるチェックリストなども世に出回っています。 これらの情報をもとに、自分で人格障害の可能性を判断していいものかどうか、度々質問されることがあります。

すべてが全て正しい情報とは限りませんが、自分なりに(あるいは、家族なりに)、人格障害の傾向を知っておくことは、むしろ問題を長期化させないためにも必要な情報だと思います。

安定した関係をいつも望んでいるのだけれども、決して長く安定した関係を続けることができないで苦しんでいる人が、自分の中にある人格障害の特性を知ることで楽になったという方もいました。

そういった意味では、自分自身の対人関係を見つめなおすよい機会になるのであれば、「人格障害」の可能性を考えることはむしろ有効だと思います。

自分の対人関係がなぜいつも揺らいでしまうのか、それは特殊なことなのか、心の病気なのか、などと考えて、人格障害的側面をそこから取り除くことによって、対人行動傾向をこれまでとは違ったものにしてゆけば、おそらく実り多い人生が開けると思います。

同時に、不安定な関係に費やされる無駄なエネルギーが節約されて、もともと持っているはずの創造性が発揮されてくるはずです。

もし、こういったことが自分自身でできないときは、人格障害を専門とする病院や施設の力を借りればいいと私は考えています。

自分自身の落とし穴(クセ)に気付く

b5afacca8b2489ee1af9b34ed1d77e1e_s人格障害者が、感情をコントロールできるようになったり、それなりに現実社会に適応できていけるようになっていくと、自分の心の中にある落とし穴がどんなところにあって、どれくらいの大きさで、どういう時に落とし穴に落ちやすくなってしまうのかということを自覚できるようになってきます。

人格障害者の心の中にある落とし穴というのは、決して埋まることはありませんが、その大きさは小さくなっていきます

落とし穴があってもそれを適度によけることができたり、ピョンっと飛び越えることができるようになることが回復の目安ではないかと考えます。

落とし穴の大きさや形などをまずは知るためにも、人格障害的側面を自覚することは最初の一歩になることでしょう。