b8527d888e0014b6ea9d5a0f6735fb33_s今回は、パーソナリティ障害者にとてもよくみられる摂食障害との関係についてみていきたいと思います。

当センターにも、日々多くの摂食障害を主訴として相談に来られる方がいますが、その背景には、パーソナリティ障害を持っている人が半数以上います(本人やご家族は、当然気づいていないケースが多いのですが)。

摂食障害のタイプ

摂食障害には、いくつかタイプがあります。

食べる事を拒否する拒食症と過度に食べることに執着する過食症に別れます。

過食症は、母性的な愛情に対する飢餓との関係が深く、境界性パーソナリティ障害演技性パーソナリティ障害の合併が比較的多くみられます。

母性的愛情への欲求を、食べるという代理行為で満たそうとするわけですね。

まさに、食べる行為が、母親の乳房を口に含む行為の代理なのだということを、重度の過食症の女性たちと接していると実感します。

見捨てられ不安が高まると、過食が悪化することもよくあります(その多くが夜間です)。

過食嘔吐を繰り返す人も多く、嘔吐する際に前歯が胃酸で溶けてしまっているケースも珍しくありません。

また、過食行為自体に、結構お金がかかるので、万引きなどで度々警察のお世話になる人もいます。

一方、拒食症では、強迫性パーソナリティ障害回避性・依存性パーソナリティ障害の合併が多くあります。

本人だけではなく、親の強迫パーソナリティが、発症の危険因子になるともいわれています。

6ab7621e12c8e207036d84ad267e0a84_s拒食症者は、ある決まった食べ物しか摂取しないという特徴があります。

健康サプリメントや健康食品(わかめや高野豆腐、野菜類など)、しかも決まった時間に同じパターンで体に食物を入れていきます。

明らかに痩せ干せて、骨が皮膚から見えている状態になっても、痩せる事への幻想を手放すことはできないのです。

このように摂食障害の背景には、パーソナリティ障害が合併していることがとても多い事が、最近の研究や私自身の臨床経験からも言えます。

摂食障害の回復の目安

私の経験上、たとえ摂食障害を持っていたとしても、回復の途上では、その行為は減ってきます。

摂食障害という行為自体、時間も労力もかなりかかるので、面倒臭くなってくるのでしょう。この「面倒くさい」という感覚が、一つの目安になってきます。「面倒くさいけど、やめられない」「終わるとスッキリする」などと言っているうちは、まだまだというわけです。

摂食障害という方法でしか、自分の心の叫びを表現できなかったことが、ちゃんと言葉を使って表現できるようになることも回復の目安であり、これが可能になってくると摂食障害という行為の必要性がなくなってくるのです。

また、自分の外見以外にも価値を見出していくことができるようになることも、回復基準の目安でもあります。