8fc7865283afe24e33f58a177ed6a547_s今回は、パーソナリティ障害の基本症状の一つである『両極端な認知』を詳しくみていきたいと思います。

これは、「白か黒か」・「全か無か」・「完璧か大失敗か」・「適か味方か」などの様に、中間のない考え方に陥ってしまう特徴です。曖昧さやグレーな状態に耐えられないために、即座にどちらか一方に結論を結びつけようとします。

全体で見れば、すばらしくうまくいっていたとしても、たった一つでも思い通りにならないことがあると、全て台無しになったように感じてしまいます。それだったら最初からやらなかったほうがましだと思ってしまい、自分の世界に引きこもってしまうケースもあります。

私が出会ったある20代の女性は、自分の理想とする体重を上回ってしまったことを悔やみ続け、「着る服もない。こんなデブだと誰にも相手にされない。皆にバカにされる。何をしてもダメだ」と言って、一日中何もせずゴロゴロしていました。

理想的な自分というパーフェクトな体が手に入らないと、もうすべてがどうでもよくなってしまい、現実的なほどよい努力をしようとする気持ちが持てないのです。

人間関係においても、「敵か味方か」という視点で見ていますので、自分の事を否定しない、いつも優しく受入れてくれる人は味方に分類され、少しでも自分にとって都合の悪い事や否定的な言葉をかけてくる人は、一気に敵に分類されてしまいます。

味方に分類されている時は、相手を神様のような存在とみなし、その相手に必死に近づこうとしたり、気に入られようとします。

相手からすると「なんでこんなに親切にしてくれるんだろう。ちょっと気持ちが悪いけど、悪い気はしない」くらいの気持ちにさせられます。

しかし、に分類された途端に、自分自身を守ろうとするため、突然罵倒を浴びせたり、時には暴力などを振るってしまう場合もあります。恋愛関係などではよくみられるパターンですね。

心理療法では、この極端に二極化してしまっている考えを、少しずつ統合していく作業を行っていきます。

すぐに白黒判断つけずに、それでも耐えられる心の強さや曖昧さを受入れられるようになっていくことが回復の目安でもあります。