9bc4018f64a4d8a3a23f06a698ee05ab_sパーソナリティ障害は、大きく、A群、B群、C群の三つのグループに分けられ、さらに10のタイプに分類されています。

私は、パーソナリティ障害に関する講演を依頼された際には、必ずこの10タイプの説明は入れるようにしています。

少し詳しく見ていくことにしてみましょう。

A群:奇異タイプ

まず、A群は「奇異タイプ」とも呼ばれ、非現実的な考えにとらわれやすい点を特徴とするものです。

統合失調症や妄想性障害との関連があるとされ、①シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害、②失調型パーソナリティ障害、③妄想性パーソナリティ障害の3つがあります。

このタイプは、どちらかといえば、外に出るよりも内に閉じこもりがちで、心の中で疑心を募らせるタイプのパーソナリティ障害と言えます。

妄想性タイプは、自分勝手な妄想によって人が信用できず懐疑的な態度を取り、思い込みで他人に報復することもあります。

統合失調質タイプは、非常に内向的で、他人に興味がありません。孤独を好み、感情の起伏が乏しいので冷たい人に見られがちです。

一方、統合失調型タイプは、自分に魔術的な力があると思い込み、人やものごとを自分の意思でどうにでもできるという考えに囚われています。

B群:ドラマチックタイプ

B群は「ドラマチックタイプ」とも呼ばれ、劇的な変動の激しさや自己アピールが特徴で、周囲を振り回したり、巻き込みやすいタイプです。

このグループには、①境界性パーソナリティ障害、②自己愛性パーソナリティ障害、③演技性パーソナリティ障害、④反社会性パーソナリティ障害の4つのタイプがあります。

最近のパーソナリティ障害の増加は、このB群の増加による部分が大きいと言えます。

自己愛性タイプは、自己評価が過大で、非常につよい優越感や全能感を感じています。

演技性タイプは、自然なふるまいができずオーバーアクションをとり、常に他人の注意を引きつけずにはいられません。

反社会性タイプは、過去にはサイコパスと呼ばれたこともあります。他人の感情や利益を軽視し、自分の都合しかものをみることが出来ません。良心の呵責なく反社会的な行為を行うこともあり、人に迷惑をかけても罪悪感がない危険なタイプといわれます。

C群:不安タイプ

C群は、「不安タイプ」と呼ばれるもので、自己主張は控えめで不安が強く、自己本位というよりも他者本位なタイプです。

A群と同様にどちらかと言えば、内向きのパーソナリティ障害ですが、妄想よりも不安が強いのが特徴です。『人に評価されるのが怖い』『反対意見を言われるのが嫌で意見を言えない』などと言った内向的性格も見られます。

このグループには、①回避性パーソナリティ障害、②依存性パーソナリティ障害、③強迫性パーソナリティ障害の3つのタイプがあります。

拒絶されるのを極端に恐れて、人と接することが困難になってしまう回避性タイプや、自分で判断ができず、常に他人に判断をゆだねてしまう依存性タイプ。

また完璧主義がたたり、自分で自分をがんじがらめにする強迫性タイプなど、本人が強いストレスを抱えやすいのがC群の特徴です。

この様に、パーソナリティ障害は、大きく3グループに分けられ、さらに10タイプに分類されていますが、私の経験上、これらのタイプがいくつか重複しているケースが多いようです。

パーソナリティは人間関係の記憶

余談になりますが、「パーソナリティ」とは、「人間関係の記憶」という言葉で言いかえることができます。

過去の親子関係が、暖かく信頼できるような関係性があれば、その人は世の中全般に対して、「安心」というメガネで色々なものを眺めることができます。

しかし、過去に親から虐待を受けていたり、条件付きの愛で縛り上げられたり、いわゆる安心感や信頼感を築けずに育ってきた人は、どうしても世の中に対して、「危険」というメガネをかけざるを得ません。

パーソナリティ障害の方々は、後者のように、あまり良い・暖かい人間関係の記憶を持っていないということでもあります。

ですから、パーソナリティ障害の回復には、この人間関係の記憶を変換していく作業が必要になってくるのです。