lgi01a201402080700今回は、パーソナリティ障害者の中でも特に男性に多くみられる「ギャンブル依存症」について解説していきたいと思います。

先日、ある相談者から夫がギャンブル依存に陥ってしまい、多額の借金を作ってしまい、これからどうしていいのかわからないという問い合わせを受けました。

奥さまは、夫の作った多額の借金を心配し、美容室や買い物など、自分のための費用すらも節約して、いつも頭が重くて気分が晴れないと言います。

離婚や別居を何度も考えてきたが、子どものためにも離婚はしたくない。でも、夫はどうしても約束を守ってくれない。二度としないと約束したのに・・・・と訴えていました。

このような訴えは、ギャンブル依存者を抱えているご家族にとても多くみられるものです。

海外などでは、ギャンブルというと、カジノなどが挙げられますが、日本ではもっぱらパチンコや競馬、麻雀などが主なものです。

ギャンブル依存症のメカニズム

002c2d664bff9d97b1f64615db410fc5_sギャンブル依存症者の性格傾向として、物静かで口数が少なく、おとなしく、対人関係が苦手で、自己評価が低いが、自分への要求水準は高く、頑固で負けず嫌いなどの面を持っています。

どうして彼らはそれほどまでにギャンブルに夢中になってしまうのでしょうか。

ギャンブル依存が発生しやすい心の状態を見ていきましょう。

まず、日常生活での充足感、充実感に欠けているという点です。

彼らの中には、教職員や会社の管理職クラスなど社会的に適応している方々もいますが、彼らの心の中には、常に漠然とした空虚感があり、何か刺激を求めているのです。

また、以前の投稿でも紹介しましたが、「偽りの自分」という感覚が強く、何をやっていても本当の自分ではない気がしています。

自分への肯定感が持てず、他者と比較しては自分を責め続けているのです。

もちろん何を目標として生きるべきかがわかりません。

これらを心理学的に言いかえると、①欲求充足不全、②自尊感情の問題、③アイデンティティの問題、④空虚感や抑うつ感など気分の問題ということになります。

807ea83654ff6b077b4d07007a8b7683_sこのような心理状態で、ギャンブルに出会い、勝ち負けにドキドキし、興奮し、ついに勝利し、勝利の達成感と戦利品の数万円の金銭を得ると、彼らは有能感を体験します。

気分は爽快になり、日常生活での不満は一時的ですが吹っ飛ぶわけです。

この有能感こそが、ギャンブル依存症への入り口となります。

依存症に見られる二面性

知らず知らずのうちに、自分がすごい力を持ち、周囲をコントロールしている支配しているという錯覚に陥っていくのです。

ですから、ギャンブル依存に陥る人の多くは、周囲には二面性を持っているようにうつるのです。

800617f752f0a3f002065666c7ea3828_sこんな穏やかで、物静かな人が、一瞬にしてこんな多額の借金をしてしまうことに周囲は理解できないことが多々あります。

この二面性がかけ離れていけばいくほど、その病理は深刻化していき、同時に借金という地獄に身内を引きずり込んでいくのです。

今回は、ギャンブル依存というテーマを取り上げましたが、その他各種の依存症の心理的メカニズムはすべて同じであると私は考えています。

詳しいメカニズムについての説明は今後の投稿にとっておきます。

いずれにしても、ギャンブル依存に陥っている人に対して、「そんな自滅的で馬鹿げたことはやめろ!借金を何とかしろ!」と正論をかざしても何の意味も持ちません。

彼らの心の中にある空虚感自己肯定感の低さプライドの高さ怒りや憤怒などについて介入をほどこさない限り、泥沼状態から抜け出すことは不可能でしょう。